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初心者向け会計税務のQ&A

FAQ(よくある質問と回答)

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目次


(1)NPO法人は利益を出してはいけないのですか?
法人には株式会社のような営利法人と、宗教法人や学校法人のような非営利法人があります。NPO法人は非営利法人に分類されます。非営利法人は営利を目的としない法人です。「営利を目的としない」とは、「利益を出してはいけない」ということではなく、「利益を関係者に分配しない」ということです。
つまり、NPO法人のような非営利法人といえども、事業を継続的に安定して行うためにはある程度の利益を計上しなければいけません。従って、利益を計上すること自体は全く問題となりません。ただし、獲得した利益はすべて今後の活動のために使用しなければなりません。
また、残余財産(法人を解散するときに余った財産)は、営利法人の場合には株主に分配されますが、NPO法人の場合には、他のNPO法人や国、地方公共団体へ寄付しなければなりません。

(2)NPO法人を設立するのに資本金は必要ですか?
株式会社にも最低資本金制度がなくなりましたが、NPO法人はそもそも株式会社のように会社を株主が所有するという形態をとりませんので、資本金はありません。
しかし、設立時に資金は必要ですので、資本金として出資する代わりに、誰かがNPO法人に寄附をしたり、お金を一時的に貸し付けたりする必要はあります。また、任意団体からNPO法人に移行する場合には、任意団体の資金をNPO法人に寄附することになります。

(3)NPO法人が作成すべき計算書類は何ですか?
NPO法人はNPO法により事業年度終了の日から3ヶ月以内に事業報告書、活動計算書、貸借対照表、財産目録、役員名簿、社員のうち十人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面を所轄官庁に提出しなければいけないことになっています。このうち、計算書類と言われているものは、活動計算書及び貸借対照表で注記が含まれます。これらの計算書類はNPO法人会計基準に従って作成します。NPO法人会計基準財産目録はこれらを補完する書類としています。
NPO法人会計基準については、「みんなで使おう!NPO法人会計基準」を見てください。(NPO法人会計基準では財務諸表という用語が使われていますが、計算書類と同じ意味です。)
なお、2012年4月より改正NPO法が施行され、平成24年4月1日以降以降に開始する事業年度からは従来の収支計算書から、活動計算書に改められたわけですが、経過措置として、当分の間、収支計算書によることも認められます。
また、NPO法人が法人税法上の収益事業を行っている場合には法人税等の申告書を税務署、都道府県税事務所及び市役所等に提出しなければならず、その場合に提出する計算書類は収益事業に係る損益計算書となっています。

(4)計算書類を所轄庁に提出しない場合、どうなりますか?
計算書類や事業報告書等の提出を怠ったときには、NPO法人の理事および監事に20万円以下の罰金が課せられます(NPO法80条1項5号)。また、3年以上これらの書類の提出がない法人については所轄庁が、その法人の設立の認証を取り消すことができることとなっています(NPO法43条1項)。

(5)会計年度の設定に決まりはありますか?
会計年度は自由に設定することができます。NPO法人は3月決算にするところが多いですが、3月決算とすると、知り合いの税理士などに相談する場合には、繁忙期のため充分な時間が取れなくなるといったデメリットがあるかもしれません。
税理士は、一般的には、年末調整のある12月、法定調書の提出がある1月、確定申告のある2月〜3月15日まで、3月決算の会社の法人税の申告期限である5月などが繁忙期になります。

(6)活動計算書とは何ですか
活動計算書とは、事業年度におけるNPO法人の活動状況を表す計算書で、営利企業における損益計算書に相当する計算書です。収支計算書が「収入」から「支出」を差引いて「当期収支差額」を計算するのに対して、活動計算書は「収益」から「費用」と「損失」を差引いて「当期正味財産増減額」を計算します。「収益」とは正味財産が増加した原因を表すもので、「費用」と「損失」は正味財産が減少した原因を表すものです。「収益」も「費用」と「損失」も、お金の入出金ではなく、それぞれの事実が発生した時点で認識します。これを発生主義といいますが、収益についてはより慎重に実現主義がとられています。

(7)貸借対照表とは何ですか
事業年度末におけるNPO法人の全ての資産、負債及び正味財産の状態を示すもので、資金の調達方法(負債及び正味財産)及び保有方法(資産)から、NPO法人の財務状況を把握することができます。流動資産として現金預金、未収金、棚卸資産、前払金等を、固定資産として土地・建物、什器備品、長期貸付金等を、流動負債として短期借入金、未払金、前受金等を、固定負債として長期借入金、退職給付引当金等として記載します。

(8)財産目録とは何ですか
計算書類を補完する書類として位置付けられるものです。期末時点でNPO法人が所有しているすべての資産及び負債を具体的にその種類、数量、価額を付して記載した書類です。貸借対照表にもすべての資産、負債が記載されており、財産目録との違いは何かというと、貸借対照表には「普通預金」と書かれているものを、財産目録では「○○銀行△△支店××円」のように記載するということです。又、金銭評価ができない歴史的資料のような資産についても、金銭評価はないものの記載することは可能です。

(9)活動予算書とはどのような場合に、どのようにして作成するのですか
NPO法人の計算書類である活動計算書の対の書類として位置付けられる活動予算書は、法人の設立認証申請時及び活動の種類と事業の種類に関する定款変更時には所轄官庁に提出する必要があります。その表示方法や考え方については、対である活動計算書と基本的に同様とします。もちろん、上記以外の場合にも任意にNPO法人が作成することは問題ありませんが、その場合には所轄庁に提出する必要はありません。
以下、設立認証申請時の活動予算書の注意点です。

\瀘認証申請時に作成する予算書
 設立認証申請時には、設立の初年度と翌年の活動予算書を作成する必要があります。また、特定非営利活動とその他の事業の活動予算書を両方作成する必要があります。ただし、その他の事業については活動する予定がなければ0円で作成しても構いません。

∋業年度について
 設立初年度の事業年度開始の日は登記をした日となりますが、認証申請時にはいつ登記をするのか、わかりません。そこで、認証申請後4ヶ月目から事業年度末を想定して作成することになります。翌年の活動計算書の期間は、丸々1年分になります。

「経常収益」について
 定款の事業の種類や事業計画との整合性を考えて作成します。補助金などの予定がある場合には見込み金額で計上すれば構いません。

ぁ峽仂鑒駘僉廚砲弔い
 事業費については、事業計画書の科目、金額と一致するようにします。
管理費は事業費よりも多くならないことが普通でしょう。
経常外収益、経常外費用は、該当がなければ記載する必要はありません。

(10)勘定科目とは何ですか?勘定科目に決まりはありますか?
勘定科目とは、決算書上で分類表示される項目のことです。NPO法人に関しては細かい決まりごとはないので、自由に設定することができます。
ただし、自由とはいってもNPO法では「計算書類(活動計算書及び貸借対照表をいう。)及び財産目録は、会計簿に基づいて活動に係る事業の実績及び財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとすること。
とされていますから、この点は考慮が必要です。要は、会員や寄附する人や利用者等の関係者に理解しやすいように整理すればいいのです。また、年度ごとの比較をするためには、一度決めた会計方針はみだりに変えないことです。
企業会計のソフトを使う場合は、受取会費、受取寄附金、受取補助金等のNPO法人独自の勘定科目は新たに設定する必要があります。この場合も、たとえば、受取会費を受取一般会員会費と受取賛助会員会費に分けるかどうか、受取入会金を分けるかどうか等は、その団体ごとの事情に合わせて決めたらいいことで、必ずこうしなければいけないといった決まりはありません。
なお、NPO法人会計基準の別表に勘定科目の例が記載されています。

(11)会計帳簿に決まりはありますか? 単式簿記と複式簿記とは何ですか?
NPO法第27条に規定があります。「会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること」とされています。普通は「正規の簿記」というと複式簿記のことを指すことが多いのですが、NPO法人は単式簿記でも構わないとされています。
それでは複式簿記と単式簿記はどう違うのでしょうか。
単式簿記というのは、小遣帳や家計簿と同じです。現金や預金の出し入れを記録する出納帳を作るだけです。しかし、決算では改めて勘定科目ごとに数字を拾い出して、活動計算書を作成する必要があります。勘定科目については(10)<リンクを貼る>を見てください。 
なお、単式簿記から活動計算書や貸借対照表をつくるためには、単純に出納を記録するだけでなく、後からそれを勘定科目ごとに集計しやすいように工夫しておかなければなりません。
これに対して複式簿記は、まず、会計取引を借方(収入があったりモノを購入したりして資産が増えていく方)と貸方(経費の支払いなどで負債が増えていく方)に分けて記帳します。この2つのそれぞれのなかでも勘定科目に分解して(仕訳といいます)、そうした勘定科目ごとに総勘定元帳と呼ばれる帳簿に整理します。こうした簿記の方法を複式簿記と言います。
なお、いわゆる「多桁式の出納帳(現金又は預金)」により取引を記帳し、その出納帳に設定した収益・費用の科目ごとに集計された金額により活動計算書や貸借対照表を作成することもできます。現金や預金以外に資産・負債がないNPO法人の場合、簡便的な方法として利用価値は高いといえます。
この多桁式出納帳によることも、意識はしていなくても結果的には複式簿記によったものと考えることもできます。
複式簿記による記帳によれば勘定科目を集計するだけで、貸借対照表と損益計算書を自動的に作成することができますが、それなりの知識と訓練が必要です。
手書きで作成しようとすると大変ですが、エクセルを使ったツールや会計ソフトを使用すると、出納帳をつけるような感覚で、複式簿記によって活動計算書や貸借対照表が作成できます。

(12)現金出納帳などは市販のものを使うのですか?NPO用の会計帳簿などありませんか?
現金出納帳は文房具店で売っているものを使っても構いませんし、また、現金出納帳の代わりに入金伝票、出金伝票などを使っても構いません。
また、NPO用に開発された現金出納帳として、「NPO会計日誌」があります。NPO会計日誌は、一日一ページの日誌形式の現金出納帳で、以下のような特色があります。

…∧輊佞韻大変やりやすくなっています。
 ・1日1ページ、現金の入出金を記入する形式をとっており現金の記帳がやりやすくなっています。
 ・勘定科目の参考例を載せており、勘定科目を考えるのに便利になっています。
 ・預金出納帳もあり、預金の動きを記帳することもできます。
 ・「NPO会計日誌の使い方」という説明書が付いています。

⇔亮書や請求書など書類の整理をするのに便利です。
 ・現金の入出金を右側のページに記入し、領収書などを左側のページに貼る形になっており、現金の動きと領収書の動きが一体化しており、書類の整理がやりやすくなっています。
 ・給与明細、収入請求明細等添付欄があり、様々な書類をこの欄に貼ることで、時系列で書類の管理ができるようになります。

I埓気簓毀析なことがおこらないように様々な工夫をしています。
 ・現金出納帳の現金残高の下に金種表があり、現金出納帳の残高と実際の残高を合わせるのに便利になっています。
 ・現金出納帳欄の下に経理印及び承認印欄があり、承認印を押すことで内部統制がしやすい仕組みにしています。
 ・役員借入明細記入表があり、役員などからお金を借りた場合に、いくら借りているのかがすぐに把握できるようにしています。

  http://www.npo-support.jp/shop/shop.phpから購入できます。

(13)NPO用の会計ソフトとしてどのようなものがありますか?また、企業用の会計ソフトとNPO用の会計ソフトはどのような点が違うのでしょうか?
NPO用の代表的な会計ソフトとしては、エーピーアイジャパンから出ている「N−Books」やee-会計、ソリマチから出ている「会計王NPO法人スタイル」があります。
内容の説明やリンクについてはサポートナビのNPO用の会計ソフトをみてください。

NPO用の会計ソフトと企業用の会計ソフトでは以下のような違いがあります。

 ヾ覿藩僂硫餬廛愁侫箸任蓮活動計算書や財産目録は作れませんし、貸借対照表は「正味財産の部」が「純資産の部」と表示されますので、エクセルなどで打ち直す必要があります。NPO用の会計ソフトでは自動的にこれらの計算書類の作成が可能です。

◆ヾ覿藩僂硫餬廛愁侫箸任蓮勘定科目の設定が営利企業用になっていますので、多くの勘定科目の設定を変更する必要があります。

 企業用の会計ソフトには事業費、管理費の区分などはありませんが、NPO用のソフトでは最初から事業費、管理費の区分が表示されますし、事業費、管理費の中の人件費と、その他経費の区分も表示されます。
(14)NPO法人になるとどんな税金がかかるのですか?
もし、任意団体としてすでに活動されていて、そのままNPO法人へ移行されるのであれば、ほとんど変わりはありません。違いがあるとすれば贈与税だけです。しかし、実際には「これまで全く税金を払っていなかったのに、NPO法人になったら課税されるようになった」という話は、よくあります。これは、任意団体の時には実態が課税当局から見えていなかったために見過ごされていたものがNPO法人になることによって活動の内容が顕在化するからです。税金には、いろいろな税金がありますが、一応、考えて置く必要がある代表的なものについて以下に述べます。

A. 法人税及び事業税
 法人税は国税で事業税は都道府県税ですが、いずれも法人税法に規定されている収益事業を行う場合にのみ課税されます。この「収益事業」は、NPO法でいう「その他の事業
とは定義が違いますから気をつけてください。なお、法人税も事業税も利益に対して一定の税率で課税されるものですから、赤字であれば税額はありません。

B. 法人住民税
 法人住民税には都道府県民税と市町村民税があります。いずれも法人税割と均等割に分けられます。法人税割の金額は、法人税額に比例しますから法人税額がない場合は納める税額はありません。 これに対し、均等割は収益事業を行うかどうかにかかわらず、一定額(都道府県民税は2万円、市町村民税は5万円または6万円、東京都の23区は都民税だけで7万円)が課税されます。ただし、ほとんどの自治体では、法人税法上の収益事業を行わない場合は減免等されることになっています。均等割の減免規定や非課税規定は、各自治体の税条例で規定されていますので、事前に確認してみるのがよいでしょう。

C. 消費税
 NPO法人でも、物品の販売や、対価を得て行うサービスの提供には消費税が課税されます。これまでの基準期間(原則として前々事業年度)課税売上が1,000万円を超えると消費税の課税事業者となりました。平成25年1月1日以降開始事業年度においては、これまでの要件に加え、当課税期間の前事業年度開始の日から6ケ月間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間においては課税事業者となります。前々事業年度に課税売上がなかったとしても、前事業年度の課税売上高(受託事業、指定管理事業などのもの)の状況によっては当課税期間より課税事業者になる場合もあり、注意が必要です。なお、課税売上高に変えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。

D. 相続税・贈与税
 NPO法人が寄附を受けたり、相続財産の遺贈を受けても、原則として課税されることはありません。法人格のない任意団体であれば、同一人から1年間に110万円を越える寄附を受けた場合は、贈与税がかかります。

E. 印紙税
 NPO法人が発行する領収証や受取書は、たとえ収益事業に関するものであっても、金額にかかわらず印紙を貼る必要はありません。ただし、契約書については免除等の規定はないので、印紙が必要です。

F. 登録免許税
 法人登記に関する登録免許税は免除等されます。

G. その他
 不動産取得税、固定資産税、自動車取得税、自動車税等は、自治体によって減免等されることがありますから、各自治体に問い合わせてください。

(15)NPO法人はいろいろな役所に書類を提出しますが、どのような役所にどのような書類の提出が必要なのですか?
―螻躊営
 NPO法人の認証の手続きをとったり、毎事業年度に事業報告書等を提出します。主たる事務所が所在する都道府県の知事、又は指定都市の長ですが(NPO法9条)、行政の権限委譲によっては、それ以外の市区町村長の場合もあります。

∪婆浬
 法人税や所得税、消費税など国に対して支払う税金を取り扱うところです。給与の支払をするようになった場合、法人税法上の収益事業を開始した場合に届出が必要になります。
 税務署の所在地は http://www.nta.go.jp/soshiki/kokuzeikyoku/chizu/chizu.htmで確認できます。

E堝刺楔税事務所や市町村役場
 法人都道府県民税や法人事業税などの各都道府県に支払う税金や、法人市町村民税を取り扱います。法人税法上の収益事業を行っていない場合にも「事業開始等届出書」を提出しなければいけません。また、法人税法上の収益事業行っていないため、法人都道府県民税や法人市町村民税の均等割の免除等を受ける場合には、免除等申請をする必要があります。
 都道府県税事務所の所在地は
http://www.296kaisha.com/yakusyo/zeijimusyo1.htmlで確認できます。

に〔涯
 法人設立時の設立登記手続き及び登記事項に変更が生じたときに変更登記手続きをするところです。     
法務局の所在地は
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.htmlで確認できます。

ハ働基準監督署
 労働基準法およびその関連する法令の施行に関する事項を担当するところで、労災保険の手続きなどを行います。
所在地はhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.htmlで確認できます。

Ω共職業安定所(ハローワーク)
 職業安定法に基づき、都道府県労働局長の指揮監督のもとに、職業紹介・職業指導・失業給付などに関する事務を無料で行う国の行政機関です。雇用保険の手続きを行います。
所在地はhttp://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.htmlで確認できます。

Я換餬鮃保険協会
 民間企業で健康保険組合に加入していないような中小企業の場合、国民皆保険の原則から全国健康保険協会(愛称「協会けんぽ」)に加入することとなります。旧政府管掌健康保険より移管を受けて誕生した組織です。
所在地は
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb7130/sbb7131/1762-620で確認できます。

日本年金保険機構
 社会保険庁の廃止により公的年金業務(厚生年金及び国民年金)の運営を担う組織として誕生した組織です。
所在地はhttp://www.nenkin.go.jp/n/www/section/index.htmlで確認できます。

(16)NPO法人に法人税が課税されるのはどのような場合ですか?
法人税法で定義する「収益事業」を行う場合です。販売業、製造業その他政令で定める事業(34業種あります)で、「継続して事業場を設けて営まれるもの」、というのが、その定義です。そのため、NPO法上では本来事業として定款に特定非営利活動に係る事業とされているものでも、法人税法上は収益事業になるものがあります。
 政令で定める34業種とは、物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、放送業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業、労働者派遣業です。
これらに該当しなければ、どんなに利益のあがる事業であっても収益事業ではありません。
 「継続して」については、不定期であっても反復して行われるものは継続しているものとみなされます。また、興行業に該当する演劇やコンサート等は、たとえ年に1回の公演でも相当の準備期間を要する場合は、継続して事業を行っているものとされます。
 「事業場」については、移動販売や無店舗販売も事業場を設けているものと解釈されますから、政令で定める34業種を継続して営む場合はすべて収益事業と考えた方が無難です。
 ただし、明文の規定はありませんが、最初から採算を度外視して行うような事業は、形式的に収益事業の定義にあてはまるものであっても、収益事業には該当しないものと考えられます。たとえば物品販売業や、材料費だけを徴収する技芸教授業等で、実費相当額しかもらわないような場合です。

(17)収益事業を行わない場合には、法人税は課税されないのですか?
NPO法人は、収益事業を行っていない場合には、法人税はかかりませんし、法人事業税、法人都道府県民税の法人割もかかりません。しかし、法人都道府県民税の均等割は原則として課税されます。法人都道府県民税の均等割とは、赤字の法人であっても課税されるもので、NPO法人の場合には事業年度が1年の場合には2万円(東京23区は区民税も含めて7万円)が課税されます。
ただし、一部の都道府県では、一定の要件を満たす法人については収益事業を行っている場合にも免除等申請により免除等となることがあります。この免除等申請は、NPO法人の事業年度に関らず、各自治体で定めた期間(東京都の場合には4月1日〜4月30日)に所轄の都道府県税事務所で行う必要があります。免除等が認められた場合には、当該官庁より「免除(減免)通知書」が送付されます。

<参考>
東京都主税局 法人都民税均等割の免除についてのご案内(「公益法人等について」をクリック)

(18)任意団体がためていた資金をNPO法人に移すと課税されますか?
任意団体の資金をNPO法人に移すことは、寄附金と解釈されます。この時、寄附をする任意団体にも、資金を受け取るNPO法人にも課税はされません。仮に、任意団体が収益事業によって資金をつくっていた場合であっても、それは任意団体に対する課税の問題であって、NPO法人とは無関係です。

(19)設立後どこにどのような書類を提出しなければいけないのですか?(法人税法上の収益事業を行わず、給与の支払もない場合)
―螻躊営に提出する計算書類
NPO法人はNPO法により事業年度終了の日から3ヶ月以内に事業報告書、活動計算書、貸借対照表及び財産目録等を所轄官庁に提出しなければいけないことになっています。これらの書類の提出が3年間ない場合には、所轄庁はNPO法人の設立の認証を取消すことができることになっています(NPO法第43条)

都道府県税事務所への提出書類
(イ)事業開始等申告書の提出
  NPO法人は設立登記をした場合には、「事業開始等申告書」を都道府県税事務所に提出しなければなりません。収益事業を行っていない場合にも提出の必要があります。この場合に、定款の写しと設立の登記事項証明書(登記簿謄本)の提出が求められます。

<参考>
東京都主税局 申請様式

(ロ)法人都道府県民税均等割の免除申請
   (17) 参照

市役所への提出書類(東京23区だけに事務所がある場合には提出の必要なし)
(イ) 事業開始等申告書の提出
(ロ) 法人市町村民税均等割の免除等申請
東京23区以外に事務所がある場合には、都道府県税事務所だけではなく、市(町・村)役所にも同じように設立時に事業開始等申告書を提出しなければいけません。また、自治体によっては、収益事業を行わない場合には法人市町村民税均等割が免除等申請をすることにより免除等になりますので、毎年4月に免除等申請書を提出します。

づ亠所への登記
NPO法人は、決算終了後2ヶ月以内に「資産の総額」を毎期登記所に登記しなければなりません。「資産の総額」とは、貸借対照表の「正味財産」のことです。添付書類は、以下のものを要求されます。
(イ)変更登記申請書
(ロ)「原本と相違ない」と記載して監事の記名押印(三文判でも可)した財産目録
(ハ)定款の写し

 登録免許税などはかかりません。
 なお、役員変更がされた場合や本店の住所が変わった場合などにも登記は必要です。また、定款に理事の代表権の制限が加えられている場合、代表する理事のみの登記となります。

<まとめ>収益事業を行わず、給与の支払もないNPO法人の手続(3月決算の場合)
会計都道府県税事務所市(町・村)役所登記
設立現金出納帳の記録
預金出納帳の記録
試算表の記録
事業開始等届出事業開始等届出 設立登記
4月決算修正(振替仕訳)均等割免除申請
(4/1〜4/30)*
均等割免除申請
(4/1〜4/30)*
   
5月 決算書類の作成・承認         資産の総額の変更の登記申請(5/31)
6月 事業報告書等の作成、提出(6/30)          

*自治体により異なる場合がありますので、確認してください。
(20)給与の支払を開始した場合にはどこにどのような書類を提出しなければならないのですか?
\婆浬
(イ)「給与支払事務所等の開設届出書」の提出
 NPO法人が職員を雇い、給与を支払った場合には、まず、「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出する必要があります。理事に給与を支払った場合にも同様です。この届出書は、源泉徴収の義務が生じてから1月以内に所轄の税務署に提出する必要があります。
(ロ)「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」(任意)
 源泉徴収をした税額は翌月10日まで(土曜日、日曜日の場合には月曜日まで)に税務署から送られてきた納付書に給与の総額と給与を支払った人数及び税額を記入し、金融機関で納付しなければなりません。かりに源泉徴収税額がゼロである場合でも、給与の支払がある場合には、納付書を税務署に提出する必要があります。
ただし、給与の支給人員が常時10人未満で、「源泉所得税の納期限の延長に関する申請書」を提出した場合には1月から6月分を7月10日までに、7月分から12月分1月20日までに納付する方法でも構いません。
<参考>
国税庁 税務手続きの案内 源泉所得税関係

∀働基準監督署(労災保険の手続き)
 NPO法人が職員を雇用し賃金を支払う場合には、たとえ1日のアルバイトであっても労災保険が適用されます。
 職員を雇用した場合は、遅滞なく管轄の労働基準監督署へ「適用事業報告」と10日以内に「保険関係成立届」を提出します。
また、労働保険料は最初に概算額で支払を行うため、保険関係成立日(通常は職員を最初に雇用した日)から50日以内に「労働保険概算保険料申告書」を提出します。「保険関係成立届」を提出したときに一緒に提出しても構いません。

8共職業安定所(雇用保険の対象となる職員がいる場合)
 管轄の公共職業安定所(ハローワーク)に「雇用保険適用事業所設置届」を保険関係成立日(雇用保険の対象となる職員を最初に雇用した日)から10日以内に提出し、雇用した日の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出し、職員の「雇用保険者被保険者証」を取得します。
なお、一般的には、労災保険と雇用保険に同時に加入するので、先に労働基準監督署で労災保険の「保険関係成立届」を提出した後に、ハローワークで「雇用保険適用事業所設置届」を提出します。労働基準監督署で付された労働保険番号がハローワークでの手続きで必要になるためです。

ぜ匆駟欷営(社会保険の対象となる人がいる場合)
(イ)新規に社会保険に加入する場合(最初に社会保険の対象となる職員を雇用した場合や理事に報酬を支払う場合)
 社会保険の適用事業所になった場合には、5日以内に、管轄の年金事務所に「新規適用届」、「新規適用事業所現況書」、「保険料口座振替納付届出書」及び「被保険者資格取得届」(被扶養者がいる場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」も併せて)提出します。

(ロ)新たに社会保険の対象となり人を採用した場合
 管轄の年金事務所に「被保険者資格取得届」(被扶養者がいる場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」)を雇用した日から5日以内に提出します。

(ハ)9月からの保険料を算定する場合(算定基礎届の提出)
 毎年7月1日〜10日まで間に4月・5月・6月の3ヶ月の賃金を基に、9月からの社会保険料を決定するために、「被保険者標準月額算定基礎届」を提出します。
 社会保険料は、雇用した時の社会保険料を、引き続き納付するのではなく、毎年1回見直されます(記入用紙は、年金事務所から送られてきます)。

(ニ)昇(降)格や昇給等により固定的賃金に変動があった場合
 昇(降)格等により固定的賃金に変動があり、変動月以降に続く3か月に受けた報酬の平均月額と現在の標準報酬等級との間に2等級以上の差が生じた場合などには、「被保険者報酬月額変更届」をすみやかに提出する必要があります。

(ホ)賞与を支払った場合
 年3回以内の賞与についても毎月の保険料と同一の社会保険料を支払う必要があるので、管轄の年金事務所へ、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」を提出します。

給与支払者がいる場合のNPO法人の手続(例)
   
所得税労災保険雇用保険社会保険
最初の有給職員を雇用(注2)給与支払事務所等開設届
源泉税の納期の特例の申請書
扶養控除等申告書の保管
適用事業報告
労働保険保険関係成立届
労働保険概算
保険料申告書
雇用保険適用事業所設置届
雇用保険被保険者資格取得届
新規適用届
新規適用事業所現状書
被保険者資格取得届
新たな職員雇用時(注2)扶養控除等申告書の保管  雇用保険被保険者資格取得届被保険者資格取得届
7月源泉所得税の納付(7/10まで)労働保険の年度更新手続き(6/1〜7/10)算定基礎届(7/1〜7/10)
賞与支払届
12月年末調整    賞与支払届
1月源泉所得税(1/20まで)
法定調書合計表(注1)(1/31まで)
    

(注1)法定調書:1月1日〜12月31日間での間に支払った給与、報酬・料金等などについて、その内容を税務署などに報告するために法定された帳票
(注2)有給職員の全てが、雇用保険、社会保険の対象となる者とは限りません。
(21)労災保険とは何ですか?
労災保険とは、労働者が業務上又は通勤途中で負傷したり病気やケガになったり、あるいは死亡した場合に労働者や遺族を保護するための制度です。労災保険の適用を受ける労働者は、労働基準法上の労働者です。事業主(NPO法人)との間に実質的に使用従属関係があるとともに、実質的にみて賃金が支払われているような関係が認められれば、労災保険の適用を受ける労働者と考えてよいでしょう。なお、労災保険はすべて事業主であるNPO法人が負担することになります。労災保険料の料率はその法人の事業所が営む主たる事業によって異なりますが、NPOの場合は、大半が「その他の事業」の「その他の各種事業」に該当すると思われます。

(22)雇用保険とは何ですか?、どのような人が対象となりますか?
雇用保険は労働者が失業し、生活が不安定になったときに基本手当(いわゆる失業給付)を支給し、その人の生活を安定させるとともに失業者の再就職の促進を目指すための保険制度です。労災保険は労働基準法の労働者であれば、全ての人が対象になりますが、雇用保険は全ての労働者が対象になるわけではありません。特にパートの人が問題になります。パートタイムの人で雇用保険の対象になるのは、31日以上引き続き雇用することが見込まれる人で、1週間の所定労働時間が20時間以上の人(65歳以上の新規雇用者は除く)です。

(23)社会保険とは何ですか?どのような人が対象になりますか?
社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険のことをいいます。社会保険はまず、資格を取得する際に、保険料が決まりますが、毎年7月に管轄の年金事務所に「算定基礎届」というものを提出します。そこで、各人別に直近の3ヶ月の賃金を基にして「標準報酬月額」というものを定め、その「標準報酬月額」に応じて社会保険料を計算します。NPO法人はその社会保険料を給与から差し引き、翌月末に事業主(NPO法人)の負担分といっしょに納付します(通常は、年金事務所から計算書が届き、自動的に預金口座から引き落とされます)。
 役員を含めて、有給の人は、基本的に社会保険の対象者となります。しかし、パートタイム労働者については、労働時間及び労働日数が通常の有給職員のおおむね4分の3未満である場合には社会保険の対象とはなりません。

(24)法人税法上の収益事業を開始した場合にはどのような届出が必要ですか?
(1)収益事業開始届出書
 収益事業を開始した場合には、開始した日から2ヶ月以内に、所轄の税務署に「収益事業開始届出書」を提出します。また、都道府県税事務所にも、「異動届出書」に収益事業開始届出書の写しなどを添付して提出します。

(2)青色申告承認申請書
 青色申告の承認を受けようとするときは、「青色申告の承認申請書」を作成し、収益事業を開始した日から3ヶ月が経過した日とその事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までに所轄の税務署に提出します。
 青色申告をする場合の最大のメリットは欠損金(赤字)が出た場合にそれを、翌事業年度以後9年間繰越すことができることです。(平成20年4月1日前開始事業年度は7年)また、平成26年3月31日までの措置ですが、30万円未満の減価償却資産(器具備品など)を1年間で損金(法人税法上の経費)にできるのも青色申告法人だけです。(ただし、年間300万円を限度とします。)

<参考>
国税庁 税務手続きの案内 法人税関係

(3)提出する申告書
 法人税法上の収益事業を行っている場合には、法人税、法人事業税、法人都道府県民税、法人市町村民税の4種類の法人税が課税されます。法人事業税と法人都道府県民税はいずれも都道府県税事務所に提出し、申告書も1枚の申告書に集約されています。

(4)申告書の提出期限
 法人税、法人都道府県民税、法人事業税は、毎事業年度終了の日の翌日から2月以内に提出し、納付税額があるときは納付しなければいけません。ただし、定款で「事業年度終了日から3ヶ月以内に総会を開催する」と定めている場合などには、「申告期限の延長の特例申請書」を最初に適用を受けようとする事業年度終了日までに税務署および都道府県税事務所へ提出すると、申告、納付の期限を1ヶ月間延長することができます。ただし、この特例を受けて、法人税を納付した場合には、1か月分の利子税(利息相当額)がかかります。
 
法人税法上の収益事業を行う場合のNPO法人の手続(3月決算の場合)
税務署都道府県税事務所市(町・村)役所
収益事業開始時法人設立届出書
青色申告承認申請書
異動届出書異動届出書
5月法人税の申告・納付(5/31まで)*
(消費税の申告・納付)
法人都道府県民税、法人事業税の申告・納付*法人市町村民税の申告・納付*

*「申告期限の延長の特例申請書」を提出した場合には6月30日まで